ソロン峠を越えてきました。
辛すぎて写真が少ないです。
▲今回越えたソロン峠(5,416m)。思ったより俗っぽい。
▲今回の工程で最も緊張感のあったところです。
写真では伝わりにくいのですが、道幅20cmくらいのトレイルがツルツルに凍結してて、下は崖、という感じになっています。
トレッキングだと思えば、さして危ない場所とも言えませんが、ここを自転車を担いで行くのに数年分の集中力を使いました。
脳みその普段つかってない場所をつかうような感覚です。
頂上までの乗車率は全くのゼロです。
道のせいもあるのですが、酸素が無いのです。
道が走りやすくても、この高度だと乗車率は変わらなかったと思います。
酸素が無い感覚をどう伝えようか考えたのですが、なかなか言語化が難しですね。
全力で走った後に近いようで違う。
ペースは10秒自転車を押して、10秒休むような感じです。
時速1km/hくらいでしょうか。
英語力が低いので海外に行くとダウナーになる自分ですが、今回ばかりは同じペースで登っていた名も無きインド人トレッカーと"NO OXYGEN!!!!"などと絶叫しながら歩を進めました。
▲これが意外だったことの一つですが、そんな寒くないし、雪もないんです。
ゲイター持って行ったけど、全然必要なかった。
100m標高が上がると0.7℃気温が下がるという目安があって、寒くないことはカトマンズの緯度から計算すると分かっていたことなのですが。
雪がないのがありがたく、想定よりペースは上がりました。
▲上掲のインド人。
某巨大企業に勤めているらしい。
そんな感じでものすごくゆっくりだけど確実に進み、頂上にたどり着きました。
自転車ツーリングでペースが上がらないときは、ゆっくりかつ、休まず進むのが大事かなと思います。
休んでいるロスは取り返しにくいので。
もったいないかもしれませんが、頂上ですごすのはほどほどにして、一気に町まで下りました。
酸素が薄くて脳みそが限界であり、長居するとホントに高山病になりそうだったので。
脳みそが限界というのは、目の奥が痛くなり、気力がゼロになるという状況です。
動きたくないけど、症状を軽くするには素早く動かないといけない、という高度なセルフコントロールが求められます。
すごく寒いとか日照時間が短いとか、厳しい状況のツーリングというのは、最終的なトータルの苦痛を和らげるため、今、勇気をもって苦しいことをしないといけない、みたいな状況がすごく多いですね。
良いツーリストの素質にそういう要素あると思います。
▲峠から町まで下る道中。
アンナプルナサーキットの西側にあたります。
概ね一周はしってみて、アンナプルナサーキットがなぜ反時計回りか分かりました。
西側には何もなく、東側のほうがキャンプやエイドポイントが充実しているためです。
つまり、ペースの遅い登りにエイドポイントが充実している東側を行く反時計回りのほうが、難易度が低くなります。
▲最初の集落を超えると道路が綺麗になって、改めて無事を確信しました。
ここからなら事故があっても通りかかった車に助けてもらえそうです。
▲道路に穴空いてたけど、これ放置したらそのうち事故起こりますよね。
海外の人って低頻度で起こる事故の危険を無視できる力強さを感じます。
▲今回の難所の一つ。
広大な河原に作った轍を道路と言い張っている場所なんですけど、地図と実際の道の構造が全然違って遭難しかけた…
川の水で道が流れて日々変化しているものと思います。
仕方ないので車や通行人に道を確認しながら走りました。
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