ヒマラヤ自転車ツーリングの持ち物について書いてゆきます。
まえがきに、と思い、持ち物を考える前提をまとめたら、そこそこのボリュームになったので、今回はここで止めて具体的な話は次の記事で。
気温
服装や寝袋を考える上で重要な要素です。
ネパールに限りませんが、一番あつい時と、一番さむい時に、快適とは言わないにしろ、支障がないくらいの装備を持っていきます。
一番あついのは首都カトマンズで、寒いのはソロン峠 (5,416m) となります。
峠の気温はよく分かりませんが、首都の気温は流石に潤沢なデータがあるので、100mUP 0.7℃DOWNの法則を適用して、峠の気温にもあたりをつけました。
というわけで、まずカトマンズの気温を調べてみます。
行ったのは4月末~5月上旬の17日間。
カトマンズの5月の天気 2018 - ネパールのバグマティ県のAccuWeather天気予報 (JA)
これを参考にすると、ブレを加味してカトマンズでは30℃/10℃くらいで考えるとよさそう。
次にカトマンズの気温から峠の気温を計算しましょう。
カトマンズの標高は1,400m、日本だったらそこそこの峠くらいですね。
一方のソロン峠は標高5,416mなので、4,000mの差があります。
ここに先程の法則を適用すると、4,000m * 0.7℃/100m = 28℃の差があることになります。
先程の30℃/10℃から28℃ずつ引くと、2℃/(-18)℃となります。
以上より、行程の全体を通しては-18℃~30℃に適応できる服装を持っていけばよさそうです。
このあたりを参考に服装を考えていきましょう。
やっぱり2週間の短期ツーリングにしては温度差がありますね。
実際には、峠越えを昼間にすればいいので、最低は-10℃くらいをみとけばいいと思いますが、ここは安全側に倒しましょう。
道
どんな自転車にするか、どんなバッグにするか、を考える上で大事になります。
▲シングルトラック。転んだら滑落。
これはネパールのすごくいいところだと思っていますが、道に対しておしなべてこうだ、とは言えないんですね。
たった数百kmの行程の中で本当に色々なパターンの道がありました。
道について、箇条書きでまとめると
- 舗装路はほとんどない
- 粒度の大きいグラベルが長く続く。手が疲れるし、エアボリュームが必要。
- 一定のトラクションが要求されるシングルトラックもあり
- 上の方は押し・担ぎ
- 標高が高く高度順応が必要なので、上りでは一日に長距離走れない
という感じです。
▲粒度の大きいグラベル。フルリジッドなので手が崩壊しそうだった。
終わってから考えてみると、この動画のように今どきのトレイルバイクに、軽いバックパックくらいが最適かなと思います。
自分は、38Cのマラソンクロスにクロモリのツーリング車に、パニアバッグで行きましたけど、上記でいうところの2と4に苦しめられました。
バイクパッキングも、構造的に担ぐのに向いてないし、大きいシートバッグがやっぱりシングルトラックでは不適切かな~と思います。
やっぱり軽いバックパックがいいんじゃないでしょうか。
▲ネパールでもっとも整備されている部類の道路
自転車屋の数
工具とスペアパーツをどのくらい持っていくか検討するための、重要な要素です。
カトマンズとポカラ、要は東京と大阪みたいなところですけど、そこ以外では見てないですね。
メカトラブルは十分対応できる装備で行きましょう。
まあジープロードまで行けば、金次第で車を捕まえることができるし、標高が高いところでは結局自転車を担いだり、高度順応のために長距離走れないので、自走不能になったら徒歩旅行に切り替えてもいいと思います。
街の密度
食べ物を積載する余地をどのくらいとるかを検討するための、重要な要素です。
結論を言うと、あまり心配しなくてよかったです。
それなりに構えていったんですが、1日分の補給食と水、バッファに非常食と浄水器が積めれば大丈夫でした。
街というか、売店と宿と食堂がまとまった集落は、アンナプルナ保護区なら1日に必ず1つはあります。
標高4,000mとかを越えると流石に集落はありませんが、キャンプがあってそこで何か買えます。
それでは以上を前提に、具体的な装備は次回以降まとめます。