だいたい標高3,500m、ジープロードの終わりまで走った行程の話です。
この区間で思ったことをまとめます。
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道について
ジープロードがあって思ったより走りやすい
みなさん、ヒマラヤと聞けば過酷なイメージかもしれませんが、アンナプルナ保護区ではマナンという町まではジープロードができています。
アンナプルナ保護区の最高峰は5,416mですが、マナンは標高3,500mなのでシングルトラックは最後の標高2,000mだけです。
結構な担ぎを想定していましたが、乗車率は想像よりだいぶ高かったです。
路面の状況ですが、標高の低いところはSDA王滝とそん色ない状況でした。
38Cのマラソンクロスを履いていたので、パニアバッグによって得られるトラクションも助けとなり、乗れます。
またヒルクライムはキツいと思いきや、路面が悪く手が痛くて疲れるほどのスピードが出せません。
めちゃくちゃキツいのに運動強度は低いので何となくもったいないです。
今回、唯一のメカトラブルは、この区間を下っているときのバルブ折れです。
色々原因が重なったかもしれませんが、直接の原因は石だと考えております。
標高3,000m付近は画像のような極上のグラベルが続きます。
ライダーの実力にもよりますが、アドベンチャーバイクやツーリング用品のサポートを受けようと思ったら、十分な素材ではないでしょうか。
また走りやすくもあり、今回のツーリングで最も楽だった区間でした。
でも走りやすいからといって調子に乗ると高山病になります。
焦らず、シングルトラックに備え脚を貯めておきました。
滑落のリスク
▲アンナプルナ保護区の一般的な車道
海外旅行なので、日本と違う色々なリスクを想定して行くのですが、行く前と後で印象が変わったところがあります。
行く前に考えていたのは、気にしていた順に次の三つです。
- 高山病
- 病気
- 山賊*1
行った後どう変わったかと言えば、ここになかった滑落が一番リスクが高いかなという認識になりました。
たぶん、死に対する感覚がぜんぜん違うのかなと思います。
日本の酷道は、路面は荒れててもガードレールやカーブミラーがあります。
この国では危なくても、道として使えることが優先されているのではないでしょうか。
途上国全般に言えるかもしれないことですが。
個人的な考えですが「山賊の被害者」とされている失踪者の一部、あるいは大部分が、実際には滑落だったのでは?と考えております。
なぜなら誰でもめまいが起こるような高度で、がけっぷちのシングルトラックを歩くんだから、何人か落ちてもおかしくないと思っているからです。
水の話
▲岩壁から流れる水を浄水器に汲む
ヒマラヤで水は貴重と聴いていましたが、実際には水というより、飲み水が貴重と言う感じでした。
標高4,000mくらいまでは色々なところから水が流れ出しています。
浄水器を持っていけば飲み水の選択肢がかなり広がります。
高山病に対する代表的な対策はとにかく水を飲むことなので、これは命にかかわることでもあります。
▲筆者が使用している浄水器はこれです。
▲こんな場所が色々なところにあります。自己責任で飲んでみてください。浄水器で完全に無害化できているかは不明ですが…
一定の標高以下では水はむしろ潤沢にあり道路が頻繁に川になります。
この辺りは車と言えばもう、クロカンみたいなのしか走っていませんね。
ジープロードが走っているだけあり、コーラなどは貴重とは言えず、日本と同じような値段で買うことができます。
ちなみに、画像の食べ物は現地の人がピザと言い張っている料理です。
日本人がイタリア料理と主張するカルボナーラみたいな感じでしょうか。
薄い小麦の記事の上に大量のニンジンやキャベツが載っていて、(おそらく牛ではなくヤクや何かの)チーズで味付けしたもので、油などはほとんど使っていません。
食べれば食べるほど健康になりそうです。
その他
地図をEdge510にDLしていきました。
Open Street Mapだけでなく、Google Mapにまで道が登録されています。
精度は画像の通りアテにならず、オフコースの時間のほうが長いです。
トレッカーがかなりのログをとってくれているはずなのですが。
大幅に道を外れた場合に気づける可能性はありますが、迷うほど道がなかったので役に立つときが来るのかは不明です。
ベアリングが入っているのか、見た目に反して大変スムーズな回転をするものもありました。
ネパールではボブマーリーへのリスペクトが高い。
国民のほとんどがまずしい農民ということが、思想的な背景にあるのかもしれません。
画像はボブマーリーをテーマにした宿。
韓国との関係は不明です。
水力マニ車。
川の水が枯れるまで徳を積み続ける装置。
ヤックアタックのようなレースが開催されるように、ここではMTBはメジャーなスポーツのようです。
一方で、ここではほとんどMTBを見かけることはありませんでした。
ネパールの一人当たりGDPは700ドル程度であり、本格的なMTBは日本人の感覚で数千万円に相当するはずなので、無理はありません。
人気も知名度もあるが、ハードルが高く競技人口は少ないという意味では、日本で言うモータースポーツのようなポジションかもしれません。
岩石のスケールはやっぱり大きい。
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