数日間サンフランシスコに滞在したので,その時の話です.
行った経緯など
サンフランシスコではホステルをベースに2月20日より数日間行動した.NAHBSは24日からなので少し余裕を持ってサクラメント入りしてもいいんだけど,可能ならギリギリまでSF滞在したい.なぜなら州都サクラメントはものすごくつまらないのだ.宿にいたゲイに「次はどこに行くんだ?」と聞かれたので,「サクラメントだ」と言ったら,「That's boooooooooooring...」なんて言われてしまった.「そこで自転車のイベントがある.俺はサイクリストだ.だからつまらなくない.」とか言ってなんとかサクラメントのメンツを保ったが.不幸にもSFは世界有数の観光都市なので,ここにいる人間からすれば輪をかけてつまらないだろう.
サンフランシスコ滞在の目的は2つある.(1)観光,(2)必要な物の調達,である.
(1)は言わずもがなである.サンフランシスコは世界有数の観光都市なのだ.ホントか嘘か分からないけど,サンフランシスコから観光産業が無くなったら,市民一人あたり一日6,000円負担する必要がある,と聞いた.(2)は人によっては馴染みがないかもしれないが,海外旅行,特に自転車旅行では重要だ.飛行機に自転車を持ち込むのは色々な意味でエネルギーを使うので,可能なものは現地調達したいし,現地でしか手に入らないものもある.
(できれば)現地調達したいものの代表的なものはアウトドア用品や自転車用品だ.このあたりは飛行機に持ち込めなかったり,アメリカで買うと安かったりするので,むしろ積極的に買いたかったりする.今回は,現地のSIMカード,ガソリンバーナの燃料ボトル,スリーピングマット,サンダル,パンク修理用のゴムのりを買った.ちなみにパンク修理用のゴムのりは,アメリカではなぜか21歳未満は買えない.レジでIDカード出せと言われて最初聞き間違いかと思った.あとちょっとショボい余談なんだけど,「バーナー」という単語は和製英語なのか「ストーブ」と言わないと通じないみたい.最初ぜんぜん伝わらなくて,「MSRとかが作ってるやつで…お湯を沸かしたり,料理するやつです…」みたいなめちゃくちゃ野暮な説明をして,REIの店員にやっと伝わった.
アウトドア用品と自転車用品はREIで買った.日本のアウトドア好きにとっては名前はすごい聞くけど何となく縁がない,あのREIである.とりあえずここの実店舗に行けたことが,アメリカに行って良かった一つのポイントと言ってもよい.すごく特徴的だったのは自転車用品が,面積で言って店舗の4分の1を占めてること.これは他のどのコーナーよりも多い品揃えになるし,何ならしょっぱい個人の自転車店よりウンと大きい.アメリカ人にとって,自転車はスポーツとレジャーと生活を超えた何か,みたいなものだと思う.サンダルは別に何でも良かったんだけど,季節が季節でスーパーとかでビーチサンダルが手に入らなかったので,辛うじてREIでTEVAのやつが手に入って助かりを得た.
ちなみに,全く買う予定はなかったんだけれども,こっちで急遽クリプトナイトを買うことになった.ABUSの鍵を日本から持ち込んだにも関わらずである.これに至るにはいくつかのクリプトナイトを買いたくなる要因があった.
- シティサイクルを含む街中の自転車がクリプトナイトを携行している
- 宿の人に「丈夫な鍵持ってる?サンフランシスコは自転車盗難ヤバいから」と言われる
- 宿に泊まっていたブラジル人が「ちょっと前に自転車盗まれた…」と証言する
こんなところである.シティサイクルまで前後輪カギで留めてるので,ペニーでもカネになるものなら盗まれる理由としては十分なようだ.
基本的な観光情報
サンフランシスコ観光は自転車が便利だ.見どころが数km圏内に凝縮されている感じなので,ちょうどスポーツバイクの距離感である.なんなら公共交通機関に自転車を積むこともできるし. 一通は多いけど,日本では使えないGoogle mapの自転車モードが使える.他には移動中にふと面白いものが見つかったりする(突然Twitterとかドルビーのオフィスが出てきてビックリする).後は何より,道路事情がよくて自転車が走りやすい.これに関しては別途,記事を書きたい.そういうところがあって,自転車旅行じゃなくても,海外のダウンタウンなら自転車を持っていくのは大いにアリだな,と感じた.これに関しては昔TKCさんがFBにあげてた動画を思い出しました(リンク参照).
サンフランシスコと言えばヒッピーだ.サンフランシスコには「ヒッピーヒル」や「ヘイト&アシュベリー」という,ヒッピーの聖地がある.これは全然アンダーグラウンドな情報ではなくて,今や大衆ガイド本になった地球の歩き方にも載っている,ごく一般的な知識である.こういう珍妙なスポットがあるので,サンフランシスコは旅行初心者からスレたバックパッカーでも楽しめると思う.
ヒッピーヒルやヘイトアンドアシュバリーは,写真でしか見たことがないウッドストックなヒッピーがたくさんいる.タイコクラブや朝霧JAMに来ている,何だかんだ物質社会に縛られている在日ヒッピーとは違うのである.彼らはとても気さくで,そばを歩いていると日本人が珍しいのか大麻を勧めてくる.写真を撮りたかったので,ヒッピーは写真を嫌う,という地球の歩き方の情報に従って許可をとってみたら,半分くらいのヒッピーは「俺はやめとくよ…」って写真から外れたので,確認してみてよかった.ちなみに先方もこちらの写真を欲しがったので,撮らせてあげたし,何だかInstagramに投稿していた.イマドキのヒッピーはSNSもやっているのかと感心した.
ヒッピーは何もヒッピーがいる地域にだけ集まっている訳ではない.ダウンタウンにいればドレッド,タイダイ,タイパンツの集会が始まる.彼らが何をしているかはよく分からないけど,音楽を流したり,大麻を吸ったり,モノを売り買いしあっていることは分かった.ダウンタウン型のヒッピーはよそ者から見るとちょっと怖くて近寄りがたいところはあった.ヒッピーの前提の精神は「LOVE AND PEACE」なので,基本的に危害はないはずだ.しかしダウンタウン型のヒッピーはホームレスやゴロツキとの境がけっこう曖昧で,ヒッピーかなと思って近寄るとそばを通ると威嚇してきたり,なんだかよく分からないけどこちらに向かって何かを喚かれることが度々あった.
ちなみにカリフォルニア州の大麻の解禁は医療用のみなので,娯楽として吸うのは避けよう.ヒッピーにかぎらず普通に吸われているし,現地の人からすれば信号無視くらいの罪悪感みたいだけど.ただ大麻を勧めてくる人は,一応先進国の日本でまさか大麻が厳罰対象だと思っていないし,基本的によかれと思って勧めてくるので,あんまり無碍にしたくない気持ちもある.そういう意味では「I don't smoke.」と言うと,多分あんまり嫌な感じにならなくていいと思う.
サンフランシスコといえばダイバシティの街だけど,これは外に出なくてもホステルにいるだけで分かる.まずレセプションがフィリピン人だ.レイモンドという黒人には「彼女はいるのか?」と聞かれ,いない,と答えたら「じゃあ彼氏は?」と聞かれた.後から分かったんだけど,レイモンドはエステや美容院を複数経営するやり手のゲイであり,アパートが燃えたので一時的にここに住んでいるらしい.後は,ポートランドで国際結婚をしたけど,離婚して,その後いい仕事がなくて日本に帰るにも経済的に帰れなくなった,みたいな日本人女性も住んでいた(翻訳とかの日雇いで食いつないでいるらしい).ホステルを知らない人のために説明すると,海外のダウンタウンには何ヶ月もホステルに住んでいる人がいるのだ.ちなみにホステルのマネージャはインド人だった.インド人らしく端々でケチられていておかげでサンフランシスコで一泊23ドルで済んだ.
前述のようにサンフランシスコはダイバーシティの街なんだけど,LGBTに関してだけ言えば,SFにはカストロストリートというゲイ・ストリートがある.これもディープスポットかと思いきや,地球の歩き方に載っているくらいポピュラーな観光スポットだ.情報はインターネットでたくさん見れる.
自転車に限った観光情報
サンフランシスコ(近郊)には自転車の聖地が3つある.1つ目はMTBの聖地マウント・タムがある.これは厳密にはSFでないが,この山があるマリンはゴールデンゲートブリッジを挟んで隣だ.2つ目はRAPHA CCである.よく知らないから間違ってたら申し訳ないんだけど,ここが各地のRAPHA CCの前身みたいです.3つ目はMASH TRANSITだ.
金門橋なう。マリン郡はMTBが生まれた聖地。この山の向こうにMT. Tamがありますが、既にここからトレールが始まっています。 pic.twitter.com/s8dFOeLqDy
— TKC Productions (@tkcproductions) 2016年2月28日
今回は3つ目のMASH TRANSITのみ行ってきた.それがどのくらい運がいいことなのか分からないけど,創始者のマイクと話すことができた.仮にサークルズ店頭でシンヤ・タナカさんに会うくらいの確率とすると,それなりに運がいいことかもしれない.
初代ビデオのイントロの例の坂の場所を尋ねたりしたんだけど,「ナーブスに来たの?」と聞かれた.すごく勘がいい.ちなみに例の坂はビルの上から角度つけて撮ったみたいで,路上から見てもピンとこなかった.
以下,写真を適当に.
シティサイクルもクリプトナイト.地球ロックできるものには困らなかった.
REIの実店舗.ちょっとテンション上がる.
別に観光スポットでも何でもないんだけど,突然ドルビーの研究所が出てきてびっくり.
シスコ.
MASHの拠点だからといってピストが多いわけではなかった.というか坂が多いので誰もピストに乗ってない.日本のほうが数は多いように感じだ.
日本人街に行ってみたらどうどうとハングルが出てきて,一周回って期待通りだ.
MASH TRANSIT
創始者のマイク.
MASH TRANSITに値札はない.
イントロの例の坂.まるでピンとこない.
ゲイタウンであるカストロストリートは横断歩道も虹色.
ラーメン.すごく美味しくなさそうなんだけど,美味しくなかったです.12ドル.